Idiot's Delight

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雑記 カスハラ問題について考える

「カスハラ」というのが問題になっています。語感だけですと「酒粕」や「ハラミ」からの連想で何やら美味しそうな珍味のようにも思われますが、「カスタマーハラスメント」の略で「カスハラ」と呼ばれているみたいです。

 

お客様は神様です。そんな言葉があります。カスハラの背景(正当性の担保)はこの言葉みたいですね。軽くググってみると三波春夫さん(演歌歌手)の言葉のようです。ただし三波春夫さんの意図としては飽くまで演者側(サービス側)の意識の問題に言及するものであり、カスタマー側を無条件で正当化するものではなかったそうな。

どこかの本で読んだ記憶ではこの言葉は大正時代の芸人のギャグとしても用いられていたそうな。そちらでもギャグ(神ではないものを神とするギャグ)なのでカスタマー側の正当性を担保するものではありませんでした。

 

当たり前ですが「人」は「神」ではありません。

 

で。

気になるのは「どうして問題化しているのか」という部分です。理由はいろいろ考えられますが、

① カスタマー側の態度が悪化している

② サービス提供側のクオリティが悪化している

テレビなどで取り上げられる場合はこの二つを理由として考えられている傾向があるように思います。(特に①)補佐として、

③ もともとあった問題が情報機器の普及によって発信される(検知される)精度が上がった

なども考えられるでしょうか。

しかし

④ サービス複雑化によりカスタマー側のリテラシーが不足している(自動レジなど)

⑤ グローバリゼーションに伴う欧米的な新自由主義が普及し、労働者の権利に敏感になった

みたいなことも理由になるかもしれませんし

⑥ 以前のようなサービス提供が困難になっている

みたいな理由もあるかもしれません。

 

このような問題があがるとついつい「悪者探し」に走ってしまいがちですが、近代の人間社会という複雑系において人間が認知できる単一の「悪者」というのは、もはや幻想の産物かもしれませんね。

とはいえ相対主義的なものを復興しても、それほどよい結果につながらないようにも思われますので、そのあたり冷静でいたいものです。