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アニメ『勇気爆発バーンブレイバーン』9話感想補足 合体の魅力

今日もお仕事です。

はてなブログのアクセス数ってどういう仕組みなんでしょう? 急に伸びたり減ったりして地味に一喜一憂しています。気にせず好きなことを書いていきたいとは思っているものの、やはり気になるものは気になるものですね。

さて今回は『勇気爆発バーンブレイバーン』9話感想の補足を書いていこうと思います。

 

※以降ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

 

9話でブレイバーンが合体しましたね。

最初の感想記事で触れるのをすっかり忘れてました。

 

つまり忘れるほどに印象が薄い。ありていに言ってしまえば、カッコがよろしくない。

 

なぜカッコよくないのかについて考えてみようと思います。

 

まずはそもそも合体は何が魅力的なのか。

いろいろありますが、根本をシンプルに説くなら「すごいもの×すごいもの=超すごいもの」でしょう。

例えば「ゲッターロボ」。

ゲッターロボはイーグル号、ジャガー号、ベアー号の3機が合体します。

これらは単機でも肉体にかかる負荷が強く、パイロットには常人離れした心身の強度が求められます。それは竜馬がスカウトされるまでに392人の候補者が脱落するほどに凄まじいものでした。

そんな「すごい」機体が3機も合体するので、「ゲッターロボ」の合体(「超すごい」)が際立つのです。

 

ではバーンブレイバーンの場合はどうでしょうか?

バーンブレイバーンはブレイバーンとメカバーンドラゴンが合体したものです。

ブレイバーンの凄さはそれまでの物語にて充分語られています。

しかしメカバーンドラゴンは9話初登場で、しかも登場した瞬間にブレイバーンと合体します。よってメカバーンドラゴンがどのように「すごい」のかが語られる余地は皆無です。

つまり合体の魅力の根本である「すごいもの×すごいもの=超すごいもの」という方程式が、バーンブレイバーンの合体にはあてはまりません。

ここがバーンブレイバーンの合体が魅力を欠く理由の一つだと思います。

 

また+αが弱い点も魅力を欠く一因でしょう。

マジンガーZ」「ゲッターロボ」に続きロボットアニメブームが巻き起こり、様々な合体ロボが生み出されてきました。

大量のロボットアニメの中で抜きん出るために根本的な合体の魅力に+αの要素を付け加えて、物語を盛り上げる試みが行われていたように思います。

例えばエルドランシリーズのある作品(確か「熱血最強ゴウザウラー」だと思うのですが、確証もてない…ライジンオーだったかしらん)では、最強形態の合体ロボットになるために、パイロットがそれぞれのロボットをパズルのように組み立てて、最強形態を作り上げるという演出がありました。当時は画期的でワクワクしたものです。

また「勇者王ガオガイガー」では、合体は「承認制」でした。それまでの「とりあえず合体する」流れに一石を投じる手続きの存在が、リアリティを感じさせるカッコ良さにつながっていたと思います。

そして「天元突破グレンラガン」では、荒唐無稽な合体を盛り上げるために、常に「合体前のピンチ」を演出して合体後の「超すごい」を盛り上げていました。

このように数あるロボットアニメで切磋琢磨する様に合体を盛り上げる+αが捻り出されてきたのです。

 

では「勇気爆発バーンブレイバーン」ではどうでしょう。

こちらも基本的には「天元突破グレンラガン」と同様に「合体前のピンチ」を用いて盛り上げる手法が取られていたと思われます。

しかし問題点が2点。

まず1点は「ブレイバーンのあやしさ」。バーンブレイバーンに合体する前、ブレイバーンは2体の敵を相手取り、苦戦しています。しかしブレイバーンはそれまでもピンチを演出するために全力を出さないように描かれており、2体の敵を相手取っていても、その苦戦は「どこか嘘くさい」印象を受けます。全力を出していないから苦戦しているように見えるのです。

そして2点目は「敵の強さが分かりにくい」。もっとわかりやすく言えば敵のキャラクターが立っていない。

現状、敵の目的も不明であり、2体の敵は8話初登場dwそのまま苦戦を強いられます。このため、敵がどれくらい強いのかが不明であり、飽くまで「(うさんくさい)ブレイバーンが苦戦しているから強いんだろう」と思うほかありません。

これらの点において合体を盛り上げる+αの要素も弱くなっており、合体に魅力を感じない一因だと思います。

 

以上、バーンブレイバーンの合体がカッコよろしくないと私が考える理由でした。

 

では合体がカッコよろしくないから作品としてダメなのでしょうか。その判断はまだ早計だと思います。

 

1話か2話の感想でも(たしか)書きましたが、本作の物語は「アッパーでしょうもないけど強力な幻想」と「ダウナーで真摯だけど非力な現実」の対立構造がありました。

もし今もこの対立構造が生きているなら、幻想がカッコよいと思える合体をしちゃダメなんです。

 

本作の合体のついて「カッコよろしくない」と言いましたが、他の作品には見られない特異な点を挙げるとするなら、周囲の反応でしょう。

バーンブレイバーンの合体は、いまいちです。しかし作中のキャラクターたちは称賛を惜しみません。

これについて「アッパーでしょうもない幻想」であったとしても、「評価を得ることで正当化される」というように受け取ることもできます。

それは評価主義的な現代社会の似姿になってはいないでしょうか?

もしそれが狙ってやっている演出だとするならば、まだ既存の作品とは一線を画す良作品になる可能性もある… いや、ない? いやいや、あると思いたい!

 

ぶっちゃけかなり無理があるとは思います。

 

4話〜5話の虚無を思い返すと不安しかありません。

今回の合体にしろ「鎧着ただけじゃないか!」とか「ルイスとイサミが合体するような演出してるけど、ブレイバーンの時点で二人は合体してるだろ!」とか、ツッコミどころ満載です。

でも「いじめられっ子が強くなって相手を倒す」みたいな筋書きって面白いじゃないですか。

この作品もこれから面白くなるんなら、めちゃくちゃ感動する! そんな祈りを込めた9話感想補足でした。

 

今回はここまで。

しかし本作に限らず「カッコいい合体」は最近お目にかかれないものです。お約束感が強くなっているのも、合体が魅力的に見えない理由の一つかもしれません。

それではまた次回。