今日はお仕事です。
今回は『これ描いて死ね』(著:とよ田みのる 小学館)の最新5巻を拝読しましたので、感想を書いていこうと思います。
※以降ネタバレを含みますので、ご注意ください。
5巻で私が最も好んだ箇所は「第二十一話 大好きだよ」のリレーマンガです。
ここはリレーマンガという形式で語られる各登場人物たちの本音の応酬だと感じました。
作中のリレーマンガは以下のような構成になっています。
1P(石龍):猫たちが住む平和な島に龍がやってきた
2P(安海):猫たちは拳法の遣い手で強かった
3P(藤森):龍を歓迎する猫たち。龍もにっこり
4P(石龍):ドラゴンが笑うと口から甘い吐息 猫は苦しみ倒れる 花は枯れる
5P(安海):火山から島の守り神の龍登場
6P(藤森):龍同士で話し合おう。お茶を飲む
7P(石龍):島の龍に噛み付く渡来の龍「お茶より生ぬるい」
8P(安海):龍の涙で猫たち復活
9P(藤森):お茶会は人数が多い方が楽しい
10P(石龍):確かに美味い茶だ みんな大好き
このリレーマンガについて、各作者が何を言いたかったのかを含めて考えた私の解釈は以下の通りです。
1P(石龍):平和だったあなたたち(安海、藤森、赤福)の島に強いわたし(石龍)が来てしまった。怖いでしょう?
2P(安海):私たちも強いから怖くないよ!
3P(藤森):歓迎してます!
4P(石龍):でも強いわたし(石龍)の言動で傷つくかもしれないよ?
5P(安海):じゃあこっちも強くなるから安心して!
6P(藤森):歓迎してます!
7P(石龍):でも結局は傷付けてしまう!
8P(安海):Aそんなの乗り越えるよ!or Bなら戦争だ
9P(藤森):歓迎してます!
10P(石龍): …ありがとう、“みんな大好き”
第二十三話の前に書かれている各キャラクターの能力割合も含めると、上記のような解釈になるのではないでしょうか?
10Pのツノがない吹き出しに書かれた「みんな大好き」は、リレーマンガのキャラクターのセリフではなく、石龍からみんなへのメッセージなのでしょう。このように考えると、なかなかにエモい場面ですね。(エモいは死語なのでしょうか?)
「これ描いて死ね」の全体のテーマはクリエイティブに必要なものは何か? という問いかけに対し回答を出すことではないかと思っています。
なので安海たちとは別に「手島零」というキャラクターを登場させて対比させているのではないでしょうか。
5巻に掲載されている「ロストワールド5」では、タイトルの「これ描いて死ね」に対するひとつのアンサーが示されました。
しかしお話はこの解答では終わらずに、さらに続きがあるみたいです。
どのような展開が待っているのか? 今後が楽しみです。
今回はここまで。
それではまた次回。