Idiot's Delight

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マンガ『タワーダンジョン』感想 世界をつくる絵の魅力

今日はお休みです。

今回は『タワーダンジョン』(著:弐瓶勉さん 講談社)というマンガを読んだので、その感想を書いていこうと思います。

 

※以降ネタバレを含みますので、ご注意ください。

 

弐瓶勉さんといえば、私の中で「世界をつくる画力」がすごい方だという印象を持っています。「BLAME!」や「シドニアの騎士」など、見たことのない世界を想像させてくれる絵が魅力的な作品です。

しかし今作はSFではなく、ファンタジーです。。ジャンルが変わっても大丈夫かなと心配があったのですが、それは杞憂に終わりました。弐瓶勉さんはファンタジーでも「世界をつくる絵の魅力」が素晴らしい作家さんだと思います。

 

例えば「竜の塔」。竜の塔とは主人公たちが冒険を繰り広げる舞台です。なので特別感が必要です。

安直に思いつくのは「超巨大であること」。これは本作でも採用されており、「山より巨大な塔」として描写されています。

そして「竜の塔」のもう一つの特徴が「ちょっと浮いている」こと。この「ちょっと浮いている」を採用するあたりにセンスを感じます。

巨大な建築物が「浮いている」は、幾度も見たことがあります。(「天空の城ラピュタ」や「ソード・アート・オンライン」)すでに定番と言ってもいいかもしれません。

しかし「ちょっと浮いている」は意外と見たことがありません。そのために新寄性があり、特別感につながっていると思います。そして新奇性があるので想像力も刺激されます(どういう原理か? 入り口の橋は人がかけたのか? など)。

 

ここまで読んでくれた方は「浮いている」と「ちょっと浮いている」はそんなに変わらないだろうと思われるかもしれませんが、私は大いに異なると思います。

率直に言って、「ちょっと浮いている」より「浮いている」方が格好がよろしいと思います。

それでも見劣りする「ちょっと浮いている」を、見応えのある絵としてねじ伏せることができる画力が、弐瓶勉さんの素晴らしいところであり、本作でもそれを感じることができたことが嬉しいです。

1巻で個人的に好きなのは「スライム」と「80層」の描写です。

 

お話としてはお姫様を救いに行く冒険譚という非常にシンプルなもの、ただ物語は始まったばかりということで伏線は張られているようですが、一巻の時点で物語的な面白さはあんまり感じられませんでした。

 

『タワーダンジョン』はまだ始まったばかりなので続きが楽しみです。東亜重工は登場するのでしょうか?

 

今回はここまで。

それではまた次回。