今日もお仕事です
踊る大捜査線の新シリーズが発表されました。楽しみです。
さて今回はマンガ「攻殻機動隊」を読んでら、すごく面白かったので、その感想を書いていこうと思います。
※以降、ネタバレを含みますのでご注意ください。
まずはタイトルを見てみましょう。
SUPER SPARTAN
単行本第2話ですが、0話と1話が書き下ろしのため、雑誌連載時の初回にあたります。
「SUPER」は「極上の」「素晴らしい」などを意味する形容詞です。そして「SPALRTAN」は「SPARTA」の語源に「-人、-的」を意味する接尾辞がくっついた英単語。意味は「スパルタ人、スパルタ的」といったところでしょう。2話にスパルタ人は登場しないため、「スパルタ的」という意味合いで用いられているものと思われます。
スパルタという単語で日本人が思い浮かべるのはジャッキー・チェン主演映画の「スパルタンX」、もしくは「スパルタ教育(spartan education)」でしょう。
前者は「スパルタ」を舞台にした映画のためスパルタンという名称を冠していますが、本作の舞台は日本であり、(もちろん)ジャッキー・チェンも登場しないため、おそらくは後者、「スパルタ教育」の意味合いで「SPARTAN」というタイトルがつけられているものと思われます。
つまり2話タイトルは日本語になおすと「極上のスパルタ教育」になると思います。
ではスパルタ教育とはなんでしょうか?
「スパルタ教育」とは、古代ギリシアで行われていたとされる教育です。
Wikipediaには「スパルタ教育」の定義・特徴として以下のように書かれています。
極めて厳格かつ過酷な訓練を施すことが特徴である。自己が帰属する組織への忠誠心の涵養や、軍事訓練、歌唱、舞踊、狩猟など総合的な社会学習を主眼とする。 原語の「アゴーゲー」は様々な意味を持ち、その中には「押収」「誘拐」といったものも含まれるが、文献の文脈から判断すると「指導」「訓練」と解釈するのが正しいとされる。
「軍国主義国家」において「優秀な軍人」の育成を目的とした「非常に過酷な教育制度」が「スパルタ教育」です。
当時のスパルタは他のポリス(都市)との軍事的緊張が永く続いたことにより、個人や家庭より国家防衛を最優先とする軍国主義がとられていました。
またスパルタ教育は優生思想に基づくものであり、その教育対象に奴隷(ヘイロータイ)は含まれませんでした。
よって軍国主義という点を抽象化して「スパルタ教育」を言い換えるなら、「国家が求める成員にするため、国民を厳しく教育する制度」と言えるでしょう。
さらに本作2話のタイトルでは、この「スパルタ教育」にSUPERという形容詞がついています。
何が「極上」「素晴らしい」のでしょうか?
2話を読み解く上には、この観点が重要だと思います。
この観点を起点にすると、少佐がなぜ施設への突入を決めたのかが深掘りすることができます。
そしてその思考を追うことで、少佐はどのような人物なのかを読み解くことができ、この2話が実は初回にふさわしい「キャラクター紹介」のお話だったとわかるのではないでしょうか。
今回はここまで。
次回から2話本編に触れていきます。
今思うとジャッキー・チェンのくだりは不要でした。
それではまた次回。